博覧会基本構想に対する提案

十万分の1 の地球系構想

阿竹 克人
 

堺屋氏が博覧会へ投げかけた問題は「いかにしてたくさんの入場者を得るか」の一言に尽きると
思います。IT化とアミュ−ズメントテ−マパ−クとの競合の中で、いかにテ−マにそった価値ある展
示と体験で多くの入場者を獲得するかは大問題です。

そこで提案です。

地球から見る月

 

○博覧会の目玉として 1/100,000(十万分の1)の地球月系を作る。

このスケ−ルでは、地球は赤道で直径127.56m 月は直径34.76m

地球月間は3.844kmになり、ほぼ海上の森と青少年公園の距離に当たる。

○したがってバル−ンで海上の森の上に地球環境の象徴として1/100,000の地球、
青少年公園の上に未来の象徴として1/100,000の月をつくると、全体のプロポ−
ションが一致する。(このスケ−ルのパル−ンは技術的に十分可能。)

○これにより青少年公園からみたバル−ン地球、海上の森から見たバル−ン月は実際の視
直径と一致する。

○青少年公園から海上の森会場の上空をみると、月から見た地球を実感できる。

○バル−ンの地球も月も、地軸、月軸は実物と平行に配置する。これによって、太陽に照
らされている面は実際の地球の昼と一致する。(真上に名古屋を持ってくれば、厳密なワ
−ルド真太陽時計になる)

○海上の森は青少年公園の夏至の日の出方向にあたり、白道と黄道の角度差はわずかなの
で、夏至前後は空間関係をほぼ一致させることができる。(夏至近くの満月の日の出時 海
上の森から見るとバル−ン月と本物の月が並んで見える)

○これにより月の満ち欠けは空間関係として地球の昼夜と同じであることが理解できる。

○実際の太陽を使った日食月食のシミュレ−ションもできる。

○このスケ−ルでは、バル−ンは温室効果を使った特殊なソ−ラ−熱気球で浮上可能であ
る。これによりパビリオンとして、中に人が入り内側から地球を見ることも可能である。

○ヘリウムを使わないため、台風などの強風時は内部の空気を抜いてたたむことができる。

通常は日没前後に地上に降りるが、内部の気圧を維持してやれば球状の形状は保持し、晴
天の日は日の出後3時間程度で浮上する。

○曇天、夜間等に浮上させたい場合は摂氏80度程度の飽和水蒸気を含む空気を注入する。

水蒸気は比重が小さく直接浮力を得られる他、高い潜熱と温室効果で温度保持に役立つ。

潜熱を顕熱化することで気温を維持し、液化に伴なう水を霧状に放出する。

この際空気を吸入させて形状を維持する。

○このスケ−ルでは成層圏までの厚さは50センチ、対流圏の厚さはわずか10センチに
なるので、これを透明な2重膜でうまく表現すると温室効果を促進するとともに、いかに
地球の大気が薄く、地球環境が脆弱であるかを実感できる。

(ちなみに大洋の深さは平均4センチ)

○月バル−ンは内部に強力なリアプロジェクタを仕込みバル−ン全体を映像表示装置とす
る。

○1/10万の地球を最大限リアルに作り、プロジェクションによって地球の海流、深層
海流、大気の大循環などを表現し、地球環境の微妙さと大切さを実感させる。

 

 月から見る地球

 

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