NIMRA 2002年の研究会

  • 総会 (2002.1.25)
  • 2月例会:上用 敏弘 氏「中部国際空港は今」(2002.2.20)
  • 5月例会:岡坂 恭博 氏「カモシカの生態と林道開発」(2002.5.22)
  • 6月例会:森 富雄 氏 「名ばかりの環境カウンセラーが体験したホタル幼虫の放流〜」(2002.6.20)
  • 7月例会:加藤 寿 氏「HSSTと愛知万博」(2002.7.17)
  • 9月例会:阿竹 克人 氏「愛地球博 阿竹構想その後」(2002.9.18)
  • 12月例会:情報交換市(2002.12.19)
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    2002年総会

    日 時:1月25日 19:00〜21:00
    場 所:リビエール(栄)
    内 容:
     2001年決算、2002年事業計画について承認を得た。
     会長:川村 信之

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    2002年2月例会

    日 時:2月20日 19:00〜21:00
    場 所:IC Nagoya パソコン教室(永信ビル5階)
    テーマ:「中部国際空港は今」
    講 師: 上用 敏弘 氏(中部国際空港(株) 建設部 企画室長)
    内 容:
     空港設置が提起され決定していった経緯、中部国際空港会社の事業スキーム、空港の基本諸元(面積、滑走路、ターミナルビル)計画旅客数、工事着手から開港までの空港建設のスケジュールと現在の進捗状況、関空との比較、海上空港の意義、空港建設を支えるアクセス道路連絡鉄道や企業庁用地などの関連事業、護岸工事や埋立工事の概要等について説明頂きました。
    ・短期的な目標は愛知万博前に開港することであり、順調に工事は進んでいる。
    ・中長期的な課題は採算性である。如何に建設費を抑え、着陸料を安くして、競争力のある空港にするかが鍵になる。頑丈で浅い地盤を選定したことにより、建設費を関西空港の約半額に抑えている。
    ・関空よりも採算性の良い空港を目指しているが、旅客需要が現在の2倍に増加することを想定している。
    ・貨物顧客の獲得も中部国際空港の課題であるが、貨物は旅客便に積載されるので貨物輸送量も旅客数に依存せざるを得ない。中部圏の国際航空貨物の8割が成田または関空から輸出入されているのが現状である。
    (文責:KF、MT)

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    2002年5月例会

    日 時:5月22日 19:00〜21:00
    場 所:IC Nagoya(大名古屋ビル3階)
    テーマ:「カモシカの生態と林道開発」
    講 師: 岡坂 恭博 氏(日本ナチュラリスト協会カモシカ調査グループ代表)
    内 容:
     岡坂恭博さんは、名古屋で建築設計業務こ携わる一方、山形県の朝日連峰の自然に魅せられて、1980年から20年以上に渡って、カモシカの生態調査を続けながら、地元で都会の子供たちを対象に自然教室を開くなど、地域の活性化にも貢献する自然保護活動を続けられています。講演では、スライドを用いてカモシカの生態と春夏秋冬にわたる自然の紹介と、現地で工事が進められつつも休止に至った大規模林道開発の経緯について自然保護の観点からお話し頂きました。
     朝日連峰の大規模林道開発は、1969年の新全国開発総合計画(新全総)で全国7カ所に構想された基幹林道の一つであり、林野庁の特殊法人である森林開発公団が1977年に着工した。ブナの原生林をスギ中心の人工林に変える林業振興を目的として開始したが、木材価格の下落に伴って、山村振興、観光日的へと目的を変えていった。しかし、厳しい自然環境による度重なる土砂崩れにより工事は難航し、さらに1995年にルート周辺でクマタカの巣が発見されて工事を中断、そして1997年以降は公共事業貝直しの気運も影響して工事は休止した。
     カモシカは偶締目ウシ科の動物で「シカ」とは異なる。かつてはオオカミなどの天敵もいたが、現在の主な天敵は人間、イヌワシなどであり、カモシカの個体数は増加傾向にある。カモシカの生息地域はブナの原生林と重なる部分が多い。
     自然保護は誰もが願うところですが、過疎地ゆえの地域振興という死活問題を抱えているのも地元自治体の現実であり、自然保護と地域振興を結び付けた岡坂さんの活動は意義深いものに思われました。
    (文責:MN)

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    2002年6月例会

    日 時:6月20日 19:00〜21:00
    場 所:永田ビル1階会議室(名古屋駅前)
    テーマ:「名ばかりの環境カウンセラーが体験したホタル幼虫の放流〜」
    講 師: 森 富雄 氏
        ((株)アイエスシイ代表取締役、土木学会特別上級技術者、環境カウンセラー)
    内 容:
     森氏はダム設計を始めとする地盤工学の専門家であり、数多くのダムに関する解析や設計を手がけ、大学との共同研究や地盤工学会の委員会活動などにも関わられています。(株)アイエスシイは、河川・ダム・下水道・公園・道路・橋梁などの土木調査設計や各種の調査解析検討を主な業務とする建設コンサルタント会社。地域を開発し、自然を変える仕事に深く関わり合っていた森氏が、環境問題にアプローチし環境カウンセラーの資格を取得するに至った経緯や、ビジネス上の展開をいろいろ模索する中で、ホタルの幼虫の放流を経験していった経緯などの貴重な体験談をお話し頂きました。
     ダムにはコンクリートダムと土砂や岩を使って造られたフィルダムがあり、コンクリートダムには水の圧力を両側の岩盤に伝えるアーチ式ダムと重力式ダムがある。 環境へのアプローチはグランドワークとしての河川掃除に始まり、環境カウンセラーの資格取得と進んだ。環境カウンセラーとは環境保全に関する専門知識や豊富な経験を有し、その知見や経験に基づき市民やNGO、事業者など様々な立場の人々に環境保全活動に対する助言などを行う人材として、環境省の行う審査に合格して登録された人を呼ぶ。試験は400字のレポートのチェックの後、面接試験による。
     3年前から行政の依頼により源氏ホタルの放流を始めた。当初幼虫は購入していたが、2002年から購入不可になり、蛍保護養殖団体の援助によって放流を続けている。
    ・源氏ホタルは、日本で最大のホタル。発光パターンによって、約2秒の西日本型、約4秒の東日本型、約3秒の中間型に分けられる。流水性であり、エサはカワニナと小さいタニシも食べる。幼虫は流れのある清流の中で9ヶ月間育ち、翌年の3月下旬から4月上旬にかけて上陸し土の中でサナギになる。5月中旬以降に羽化し約1ヶ月間鑑賞できる。
    ・平家ホタルは、止水性(水田や池)で、エサはカワニナ・タニシなど食性が広い。
    ・ひめホタルは、陸生で、エサはカタツムリ、タニシ。
     ホタルの保護のありかたとして、本来生息していない地域への移植や自生ホタルが生息する地域へ他地域から異種ホタルの移植をしない。源氏ホタルに関しては放流する場所にカワニナが必要なだけ存在しなければならない。カワニナのエサは河川に堆積した自然の養分や石灰岩。清流であるが故に自然の養分が不足している河川の場合は人工のエサを蒔いてやる。成虫は暗さの確保のため照明等の人工の光から遮断することと、木立の茂みが必要である。成虫は日中、岸辺の木の葉の裏で休眠する。産卵場所は孵化したとき幼虫がそのまま水にはいる苔の生えた湿った所。水面にせり出した岩や木の枝の裏側に生えた苔の部分。今はまだ単に幼虫を放流しているだけで翌年以降の自然繁殖にいたっていない。
     講演では、『水田貯留』についてもお話があり、東海豪雨災害を契機に緊急な対応が要請されている新川流域総合治水対策に関連して参考になりました。
    (文責:TS)

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    2002年7月例会

    日 時:7月17日 19:00〜21:00
    場 所:IC Nagoya(大名古屋ビル3階)
    テーマ:「HSSTと愛知万博」
    講 師: 加藤 寿 氏 (中部HSST開発(株) 技術業務次長)
    内 容:
     加藤氏は名古屋鉄道(株)から中部HSST開発(株)に出向され、設立当初の平成元年からリニアモーターカーの研究開発に携わって来られました。講演では、HSSTのメカニズムと特徴、開発段階そして現在進めてられている東部丘陵線建設における苦労話、21世紀の乗り物としての今後の展望などについてお話頂きました。
     HSST(常電導磁気浮上システム)は、車輪がなく磁気で浮上しリニアモーターで推進する新交通システム。中部HSST開発(株)より実用化に向けた実験研究が進められ、愛知万博の主要アクセスも兼ねて藤ヶ丘〜八草間に採用された、世界初の本格的な磁気浮上鉄道。現在、藤が丘から青少年公園にかけての県道力石名古屋線で高架インフラ工事が行われており、平成14年度から走行試験を開始する予定。
     東部丘陵線は、総延長8.9km、9駅、所要15分。3両8編成を6分間隔で無人運転。台車長2.5m、リニアモータ1個、浮上案内磁石4個。エレベータのように駅ホーム側にも扉があり、無人でも安全に乗降できる。総建設費は1060億円であり、600億円を県と市の道路財源から、405億円を第3セクター愛知高速鉄道が負担する。既存道路上に設置するので道路財源が適用できた。1日3万人の利用で採算の見込み。HSSTの特徴は、
    ・浮上式の為に摩擦部分が無いのでメンテナンス性が良い。、
    ・推力が路面状況に依存しないので、運行安定性が良い。
    ・リニアーモーターなので、省スペースであり、車体が小型軽量化でき、結果としてトータルコストが安くなる。
    ・地下鉄とガイドウェイバスの中間の規模の輸送に適している。
     建設費は、ガイドウェイバス=50億円/km、HSST=120億円/km。
    (文責:NS、MT)

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    2002年9月例会

    日 時:9月18日 19:00〜21:00
    場 所:創建GIS会館(金山駅南)
    テーマ:「愛地球博 阿竹構想その後」
    講 師: 阿竹 克人 氏 ((有)阿竹空間設計研究所 代表取締役 所長、NIMRA会員)
    内 容:
     「愛知万博」から「愛地球博」への名称変更に深く関与したと言われる阿竹氏の「20万分の1の地球系構想」と、阿竹構造体を応用した究極の立体構成玩具「XMAX」、それらを強力に進める実行委員会「BEプロジェクト」の現状についてお話し頂きました。
    「バルーンアース20万分の1の地球系構想」
     愛地球博に大地球現る!? 「地球人だって地球を見てみたい!」そんな願いを叶えてくれる、地球人による地球人のための大地球パピリオンを博覧会シンボルとしてBEプロジェクト実行委員会が提案。実際の地球と月の大きさの20万分の1のスケールで、地球(直径約63メートル)と月(直径約17メートル)の巨大熱気球を作り、愛知青少年公園会場に地球、海上の森会場上空に月をそれぞれ浮かべる。すると、その2つの会場間の距離も実際の地球と月の距離の20万分の1にほぼ一致する。これによって、かつてアポロ13号の乗組員達が目にした「月から眺める地球」を私達もこの愛知の地から見る事ができる。
    「XMAX」
     建築家・阿竹克人氏が考案した阿竹構造体をベースに開発された、全く新しい感覚玩具。プラスティック製のジョイント、ピン、バーの3つを組み合わせることにより、いろいろな形の”たためる立体模型”を組み立てることができる。
    >>後日談
    「20万分の1の地球系構想」は、博覧会協会に企画書を提出し、11月に東京のプロデューサー会議でプレゼンテーションを行なった他、原田プロデューサーを中心に実現可能性を模索しており、ひとえに集金能力にかかっている模様。一方、バルーンアースは愛工大で実証実験を行い、温度上昇を確認したとのこと。
     また、第56回 発明とくふう展に出品し、XMAX展開構造が愛知県知事賞バルーンアース太陽熱気球が名古屋商工会議所会頭賞と環境に優しい発明に発明協会から贈られるクリーン賞を受賞されたとのことでした。
    (文責:KA)

    http://www.atake-sdl.com/
    http://www.asahinet.or.jp/~tg5k-atk/
    http://homepage1.nifty.com/atake/

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    2002年12月例会

    日 時:12月19日 19:00〜21:00
    場 所:永田ビル1階
    内 容:情報交換市
     忘年会を兼ねて、会員が持ち寄った情報を交換する情報交換市を行いました。

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