NIMRA 2010年の研究会

  • 年次総会 (2010.1.27)
  • 2月例会:丸山 茂樹 氏「国際化と少子高齢化時代の街づくりについて」(2010.2.24)
  • 3月例会:鈴木 正博 氏「農業・生命産業と建築が開く未来」(2010.3.24)
  • 4月例会:鬼頭 正信 氏「ものつくりの雑感」(2010.4.21)
  • 5月例会:蟹江 秀夫 氏「最近の航空事情」(2010.5.26)
  • 6月例会:野村 卯 氏「美の回廊フィレンツェ、芸術家とコジモ一世」(2010.6.23)
  • 7月例会:谷川 寛 氏、栗本 真壱 氏「あいちトリエンナーレ出品作品 SIGNAL-GO-ROUNDについて」(2010.7.21)
  • 緑蔭講座:伊藤 宗太郎 氏「名古屋の歴史 〜清洲越しと碁盤割り〜」(2010.9.11)
  • 10月例会:白鳥 洋子 氏「パリの都市計画 その過去と現在」(2010.10.29)
  • 11月例会:川村 信之 氏「スマートコミュニテイ(電力供給としての次世代のスマートグリッド)」(2010.11.17)
  • 12月例会:情報交換市」(2010.12.8)
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    2010年総会

    日 時:1月27日(水)19:00〜21:00
    場 所:リビエール(栄)
    内 容:
     2009年決算、2010年役員人事、2010年事業計画について審議し承認を得た。
     会長:柴田 利実

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    2010年2月例会

    日 時:2月24日(水)19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師:丸山 茂樹 氏 (I.C.Nagoya校長、NIMRA会員)
    テーマ:「国際化と少子高齢化時代の街づくりについて」
    内 容
     モノ作りの為の外国人労働者は、この数年の世界不況で日本から消えつつあり、それに代わって、移転できないサービス産業労働力を、日本人の少子化・高齢化の代替として迎え入れようとしています。既に外国人参政権の議論が国会で始まろうとしている現在、社会インフラ整備や街づくりに及ぼす影響等を、我々原住日本人として、早めに考えておく必要が有ります。
     2月15日に法務省入国管理局から提案された第4次出入国管理基本計画(案)の内容を元にして、外国人労働者問題及び入管法改正について解説頂きながら、今後の展望をお話し頂きました。

     今回の入管法改正案で、外国人労働者に関係する点として、以下3点があるとのこと:

    1. 従来の単純労働者を制限し、@高度人材(留学生等の技術系)、A中間技能人材(介護福祉士等、EPA)、B研修生・技能実習生(実質的な移動型労働者)の3階層の受入れを広げる。
    2. 従来市町村で交付していた外国人登録証明書を廃止して、新たに入官時に交付する「在留カード」と一本化し、在留許可の管理を強化する。
    3. 日系外国人についても、日本語能力等の入国要件を見直す(厳しくする)。
     これを踏まえて、参加者との間で、以下のような意見交換が成されました:

     例会後の2千年会では、一般参加のお二人も交え、話題が尽きませんでした。

    (文責:MT)

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    2010年3月例会

    日 時:3月24日(水)19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師:鈴木 正博 氏(建築家、(株)M式水耕栽培研究所顧問、(株)MABM取締役)
    テーマ:「農業・生命産業と建築が開く未来」
    内 容
     3月例会は(株)M式水耕栽培研究所の農業技術を核に産業連携による地域おこしのプロジェクトに取り組んでおられる建築家 鈴木 正博氏に、植物工場など農業と建築が開く未来について、講師が顧問をしている(株)M式水耕栽培研究所が中心となって計画しているアグリ・バイオ・カルチャーセンター(ABC)構想と知多半島の開発計画などをお話いただきました。
     ABC構想は水耕栽培技術を中心に農業、生命産業と教育、地域おこしを一体化した拠点の全国展開を図る構想です。 現在農水省の補助金がこの構想に対して支給されることが決定していて、以下のような計画とのことです:


     たくさんの配布資料をいただきましたが、質疑では、次のような質問が寄せられました。

     年度末の忙しい時期でしたが興味深いテーマということもあり、多数の会員外の参加をいただき懇親会はおそくまで盛り上がりました。

    [講師プロフィール]
     昭和41年名古屋工業大学工学部建築学科卒(小笹賞受賞)
     (株)田中小西建築設計、ISO設計(株)を経て (有)ダン設計を設立
     現在 (株)M式水耕栽培研究所地域開発顧問 (株)MABM取締役

    (文責:KA)

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    2010年4月例会

    日 時:4月21日(水)19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師:鬼頭正信氏(金属造形家)
    テーマ:「ものつくりの雑感」
    内 容
     金属で造形する方法としては、大まかに言って鍛金(金属を叩いて造形する方法)と鋳金(金属を溶かして鋳型に流し込んで造形する方法)の2つの方法があるそうで、鬼頭先生は鍛金技法により作品の制作をされておられます。

     まずパワーポイントで、昨年3月に松坂屋本店で開催された個展で展示された作品が紹介され、さらに鬼頭先生が30歳代のころ福井県敦賀市にある曹洞宗のお寺から依頼を受けて制作した純銀製の阿弥陀如来像の製作過程を詳しく解説していただきました。これまでの仏像の多くは金属を流し込む鋳造方式が一般に知られていますが、鬼頭先生が制作した仏像は、鍛金技法で仏像の各部分を作り、そしてその当時の最新式のTAG技法(溶接)により接合するという方法でつくられたそうです。次に、鍛金を学ぶ学生や鍛金の世界を知らない一般の方にも楽しい鍛金が出来るようにと、鍛金技法による作品制作を通して培ってきた技術力を生かして開発された「ソケット式あて金具」についても説明していただきました。

     今回の例会案内が例会日直前に届いたにもかかわらず、13名の参加者が集まり、質疑も活発で閉会の9時ぎりぎりまで行われました。その後の懇親会も遅くまで盛り上がりました。

    講師プロフィール
    1973年 愛知教育大学美術科卒
    1975年 東京藝術大学大学院修了
    1975年〜日展・日本新工芸展などに発表
    1996年〜金属造形研究会を始める(金属造形展を開催)

    現在 工房カオス主宰
       金属造形研究会代表
       日本建築美術工芸協会会員
       名古屋造形大学・名古屋学芸大学等講師

    (文責:TN)

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    2010年5月例会

    日 時:5月26日(水) 19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師:蟹江 秀夫 氏 ((株)エヌ・アイ・エス旅行部 部長)
    テーマ:「最近の航空事情」
    内 容
     かつてカンタス・オーストラリア航空の名古屋便就航や関空就航等に尽力され、名古屋支店長・大阪支店長を歴任された講師から、カンタス航空での経験談を中心として、航空会社の裏事情を伺いました。

    1.第二の国歌
     カンタス航空はオーストラリア国営の航空会社として出発し、その後民営化された。カンタス航空のCMソング「I still call Austrarlia home」は、国歌を越えてポピュラーとなり、今やオーストラリアの第二の国歌と呼ばれるほど親しまれている。

    2.航空運賃の原価
     航空運賃の原価は、為替や原油価格等の変動要因が多い為に明確に算出されていなのが現状。チケット価格は、早く座席を埋めたい航空会社と安く購入したい旅行会社との需給バランスで決まっている。

    3.死亡事故ゼロ安全神話の裏側
     カンタス航空では 安全確保の為にリスクを冒さないことが徹底されており、例えば、悪天候時には離着陸はしない。天候等条件が悪い空港では機長判断による離着陸拒否が度々行われ、到着空港の変更や欠航が発生する為、営業スタッフは振替え輸送の手配等に苦労していた。また、乗務員の勤務環境が優先されるための欠航もある。

    4.航空機のカルテ 5つのエンジンを持つ飛行機
     日々の各飛行機の不具合を記したカルテ情報を持つ町医者のような整備士が各空港に配置されて整備に当っており、飛行機のダメージが著しい場合にはシドニニーから数人のチームが派遣される。スペアのエンジン(第5のエンジン)を運搬する専用飛行機も用意されており、実際、エンジン修理の為にセントレアにやって来たことがあり、航空マニアの間で話題になったこともあった。

     講師は、現在は(株)エヌ・アイ・エス 旅行部の部長を勤める傍ら、業界雑誌「トラベルジャーナル」の中部支局長も兼任されており、航空需要掘り起こしの為に、従来の国内から海外へのみならず、新しく、海外から国内へ("in-bound")の旅行を誘致しようと中部地区のPRを始められており、手始めに「トラベルジャーナル」に河村市長のインタビュー記事を掲載しているそうです。

     航空事情について最近関心が高まっているのを反映してか、質疑応答も1時間近くに及び、その後の懇親会にも10数名の参加があり、活気ある盛況な例会でした。
    (文責:TS、MT)

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    2010年6月例会

    日 時:6月23日(水) 19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師:野村 卯 氏(画家)
    テーマ:「美の回廊フィレンツェ、芸術家とコジモ一世」
    内 容
     6月例会では、画家の野村卯さんを講師にお招きし、イタリア・フィレンツェを舞台として、その実質的な支配者として君臨したメジチ家の基礎を築いた老コジモと、そのパトロネージによってレオナルド・ダヴィンチらの芸術家が活躍したルネサンスについて、お話し頂きました。
     老コジモ(コジモ・デ・メディチ 1389年-1464年、通称 コジモ・イル・ヴェッキオ)は、メジチ家初代当主ジョヴァンニ・ディ・ビッチの息子。銀行家(総合商社)、政治家として、フィレンツェ発展の基礎を築いた。”ヴェッキオ”はイタリア語で”古い”の意味。フィレンツェのアルノ川に架かる有名な橋”ポンテ・ヴェッキオ”も”古い橋”の意味。尊敬と敬愛を込めて呼ばれている。老コジモはまた、ヨーロッパ最初の図書館の設立、プラトンアカデミーの創設の他、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどの多数の芸術家をパトロンとして支援し、ルネサンス文化を育てる上で大きな役割を果たし、「祖国の父」と呼ばれている。
     こうしたルネサンス時代の文明開化の背景として、商業の発達、オスマントルコによるコンスタンチノープル陥落に伴う東ローマ帝国からの学者の移住、貿易の発達に伴う東方からのペストの流行、グーテンベルグ印刷機の発明などの出来ごとがあった。

     質疑応答では、文明の発展と滅亡に論点が及び、文明の源泉に必要な要素として、文字、数学、図書館が上げられること、商人が文明を広げること、一方、文明が滅亡する原因として、軍事費の増大や戦争による産業の疲弊があること、また、森を壊すと文明が亡びることなど、現代世界にも通じる示唆がありました。

     2次会では、シュメールやギリシャ、中国等の古代文明に端を発する技術や言語、文明の変遷など、さらに多岐に渡って、夜遅くまで話が尽きませんでした。
    (文責:MT)

    講師プロフィール
    野村 卯(のむら しげる)1949年生まれ、1967年愛知県立旭丘高校美術科卒業後渡欧、パリ国立美術学校、ハンブルク美術学校で学び、1970年帰国後美術研究所設立。
    1977年一水会展初入選を皮切りに数多くの美術展に入選及び受賞、1988年日展初入選(入選回数4回)、1994年国際平和作家賞受賞。個展42回(名古屋、京都、大阪)、各展450回。外遊歴17回(フランス、ドイツ、オーストリア、スペイン、イタリア等)
    現在 一水会会員、東浦町文化協会会長、名古屋日独協会会員
    一水会ホームページ(講師の作品が鑑賞できます)

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    2010年7月例会

    日 時:7月21日(水) 19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師:谷川 寛 氏(建築家、TLLstudio代表)、栗本 真壱 氏(建築家、栗本設計所代表)
    テーマ:「あいちトリエンナーレ出品作品 SIGNAL-GO-ROUNDについて」
    内 容
     今年8月から10月にかけて、愛知芸術文化センター・名古屋市美術館および長者町・納屋橋等の都市空間を会場として、都市アートの祝祭「あいちトリエンナーレ2010 」が開催されます。 7月例会では、長者町地区での企画コンペ部門で300人中二位という高得点を得て実現の運びとなった「SIGNAL-GO-ROUND」という作品と、主として谷川さんが過去に手がけられたプロジェクトについてお話いただきました。
     谷川さんは建築家としてのお仕事以外にファインアートと写真の部門でも活躍して見えて、栗本さんとのユニットの作品としては、絵本が部屋になるワンダーブックが国内美術館の数箇所で展示され、製品化のお話もあるそうです。
     今回の「SIGNAL-GO-ROUND」は長者町という展示場所の特徴としてきれいな100mグリッドの一方通行道路による街区構成の上に、数字の8の字ループができていることを発見し、レーザーと鏡を使って進行方向には青、逆向きには常に赤が表示されるシステムを実現しようとしたものです。
     はじめてみると道路の使用許可をめぐる法的問題やレーザーの強度の制限、方向をそろえる技術上の問題などが噴出し、資金調達も含めて大変困難なプロジェクトになったということです。結果的には常設展示としては、鏡とレーザーを組み合わせたものをスケールダウンして展示し、金曜の夕方の一時間に限って街頭で実演するということに落ち着いて、すでに制作に入っているものの、なかなか満足のいく進行ではないとのことでした。
     懇親会も二人そろって参加され、裏話もいろいろうかがうことができました。
     100万円の制作補助とスポンサーの協力だけでは赤字は確実ということで、些少の講師謝礼は制作費の足しにされるとのことでした。
    (文責:KA)

    あいちトリエンナーレ2010
     主催:あいちトリエンナーレ実行委員会、愛知芸術文化センター、名古屋市美術館

    smilo-fat プロフィール:
    建築家2人によるジャンルに関わらずfatな可能性を模索するユニット。2007年結成。

    谷川寛:ケンチク・シャシン・デザイン・アート TLLstudio代表
    略暦:1974年愛知県生まれ Bゼミスクーリングシステム卒業 横浜国立大学建築学科卒業 東京芸術大学大学院美術研究科修了 有設計  C+A  ISO設計を経て 2007年 TLLstudio設立
    受賞歴
    2003年 東京芸大大学院修了制作最優秀賞 サロン・ド・プランタン賞受賞「pre-arch-play 動的シンメトリー思考」
    2008年 アーツチャレンジ2009出品作家に選出 「WONDER BOOK」
    2008年 MIO写真奨励賞2008 審査員特別賞(選考:島敦彦) 「whisper of the void」他

    栗本真壱:栗本設計所代表
    略暦:1976年 愛知県生まれ 名城大学建築学科卒業 名古屋大学施設整備推進室 シーラカンス・アンド・アソシエイツ 大建met を経て 2006年 栗本設計所 設立

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    2010年 緑蔭講座

    開催日:9月11日(土)
    場 所: 名古屋市 中区 丸の内 2丁目 本町界隈
    テーマ:「名古屋の歴史 〜清洲越しと碁盤割り〜」
    日 程:
    時間 行事 場所
    13:00〜15:30 講演会 「アイリス愛知」2階中会議室
    中区丸の内2-5-10 TEL (052) 223‐3751
    (地下鉄 丸の内駅 徒歩8分)
    15:30〜17:00 歴史探訪 「本町通」界隈
    18:00〜20:00 食事会(希望者) 「ザ・カワブン・ナゴヤ」
    中区丸の内2-12-30 TEL (052) 222‐0020
    講 師: 伊藤 宗太郎 氏
          いとう呉服店別家番頭 藤倉屋勘兵衛四代目
          公認会計士  郷土史家  名古屋キワニスクラブ会員
          著書 名古屋碁盤割り−商家と庶民の暮らし−
             続名古屋碁盤割り  続・続名古屋碁盤割り
    内 容:
     今年の緑陰講座は、「名古屋開府400年」にちなみ名古屋で開催された。講師は伊藤宗太郎氏。先生の曽祖父は江戸時代末期の「いとう呉服店」(現 松坂屋百貨店)の別家番頭であり、いとう呉服店の当主によって設立された「伊藤銀行」が旧東海銀行の前身の一つとなっている。このように先生に纏わる事柄を少し辿るだけで近代名古屋のルーツが理解できるような気がした。
     今年の参加者は13名。第1部の講演会では、最初に「尾張太古之図」が示され、古代には濃尾平野の大半が海中にあったことが確認された。続いて、名古屋の老舗料亭の女将2人による会話の録音が流され、本来の名古屋弁の持つ上品さを満喫することができた。その後、本論に入り、なぜ家康は清洲越しを行ったのか。なぜ「碁盤割り」の町並みとしたのか。なぜ清洲から住民だけでなく神社仏閣や橋、清洲城の部材や石垣、更には町名までも大移動させたのか、といった点について解説があった。この中で、堀川が運搬手段として活用されたとのお話があったが、平成11年から6年がかりで名古屋城の地下に作られた中部電力巨大変電所の工事においても送電線ケーブルの運搬に堀川が使われたとのこと。清洲越しから400年経った現代でも堀川が当地区の大型プロジェクトで重要な役割を果たしていたことに大きな感銘を受けた。(なお、清洲城からの石垣運搬をテーマとした創作狂言「轍(わだち)」が伊藤先生の原作により本年11月6日に名古屋能楽堂で上演される。)
     その後、本能寺の変勃発後の家康の逃避行で茶屋四郎二郎清延が果たした役割、明治初期に乃木将軍が名古屋に残した足跡、茶道とキリスト教の洗礼の共通点等々、興味深いお話が続いた。第2部の歴史探訪は、猛暑による熱中症も薄曇りの天候で杞憂となり、旧いとう呉服店、旧茶屋家、那古野神社・東照宮、仮医学校開設地(名大医学部前身)、桜天神社(旧万松寺所在地)、旧札の辻(碁盤割りの中心)など多くの史跡を訪ねることができた。ここでは、清洲越しで東照宮境内の北側に移設された灯篭の列が印象に残った。その後、「ザ・カワブン・ナゴヤ」に移り美味しい料理とワインで楽しく会食した。灯台下暗し、名古屋の街角でたくさんの歴史と出会うことができることを知った緑陰講座であった。
    (文責:NS)

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    2010年10月例会

    日 時: 10月29日(金) 19:00〜21:00
    場 所: I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師: 白鳥 洋子 氏(DPLG (フランス政府公認建築家) 名古屋造形大学准教授)
    テーマ: 「パリの都市計画 その過去と現在」
    内 容
     白鳥准教授は1990年代にパリ大学で近代建築史と建築設計を勉強され、卒業後もしばらく建築計画の実務に携わってみえたという経歴で、フランス時代に収集した資料を元にパリの都市計画のお話をいただいた。
     パリ盆地は古代には大きな湖でその後セーヌ川の渡河地点のシテ島付近ににケルト族のパリシー人が集落を作ったのがパリの始まりである。紀元前一世紀にガリア戦記で有名なカエサルがこの地を支配しローマの植民都市を作った。これは他の植民都市と同じく東西南北の格子状の街路に競技場、大浴場、ローマ神殿などを配したもので、競技場の遺跡は今も残っている。
     中世になると城壁が作られ、武器の変遷や市域の拡大に伴って何度も外に新しい城壁が作られた。それらの城壁の中にはパリに入ってくる物品に関税をかけるためのものもあり、市民の不満がフランス革命につながっていく。
     市域の外に出ると各地の主要都市につながる道路は放射状に広がって行くのだが、この放射状道路を都市内に取り入れたのがナポレオン三世当時のオスマンの都市計画だが、これについて語ると時間が足りなくなるということで、また機会があれば詳しく紹介していただけることになった。
     第二次大戦中パリはドイツに占領されるが、ヒットラーの命令に司令官が逆らったため焦土化を免れる。戦後フランスは海外の植民地を失い、そこからの帰国者で人口が膨れ上がったため、急遽郊外にニュータウン建設を迫られる。当時の写真を見ると電柱もあり、日本のニュータウンとさほど変わらない景観であるが、いろいろな気鋭の建築家の参加を得て、デザイン的にこだわった街づくりが展開されているということで、ピカソアリーナやサンドニなどのたくさんの写真を見せていただいた。
     最後には質疑の時間が足りなくなってしまったが、参加者からパリの衛生状態の話や、ラデファンスの新凱旋門が旧凱旋門に対して六度振っている理由などが話題に上った。
     懇親会から参加された会員もいて、パリの話やもうじき閉幕する愛知トリエンナーレの話題で遅くまで盛り上がった。
    (文責:KA)

    講師プロフィール
    1968年生まれ、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了、フランス国立建築大学DPLG課程修了、パリ第一大学DEA課程修了、東京大学大学院工学系研究科博士課程、一級建築士、名古屋造形大学准教授
    主担当科目/建築デザイン実技、インテリアデザイン実技、近代建築史
    主な研究/近代建築史
    受賞 1991年サロン・ド・プランタン賞(東京芸術大学)
    ホームページ http://www.nzu.ac.jp/cur/staff/ftp_staff/shiratori_yoko/

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    2010年11月例会

    日 時: 11月17日(水) 19:00〜21:00
    場 所: I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    講 師: 川村 信之 氏(電力会社社員、NIMRA会員)
    テーマ: 「スマートコミュニテイ(電力供給としての次世代のスマートグリッド)」
    内 容
     環境問題への対応が叫ばれているなか、自然エネルギーも含む循環型社会の実現目指した「グリーンニューデイール政策」(アメリカでのオバマ大統領が提唱)の一環として、「スマートコミュニテイ(電力供給としての次世代のスマートグリッド)」が、日本に波及し一躍脚光を浴びてきた。そのため、このスマーットグリッドが推進される訳を分かりやすく解説してもらいました。
     アメリカにおいては、「電源・送配電線の整備促進」に加え、地球温暖化対策としての「再生可能エネルギー(風力・太陽光発電など)の導入促進」等が背景として挙げられていますが、日本ではこの目的自体も、周辺状況が大きく異なっています。第1の理由の電源・送配電線の整備促進も、アメリカと大きく異なり、30年という長期的視野に立って、必要量を計画的・着実に信頼度も含め整備が進んでいる日本においては、それ自体を目的とされている訳ではありません。第2の理由の環境負荷軽減として、家庭分野への「太陽光発電」の大量導入を見越した系統・運用対策に、ITを駆使した制御システムがどう導入されていくかが、当面の課題であると考えられています。
     また、将来的には、家庭内でのエネルギーの利用形態の変化(オール電化の推進、電気自動車の導入、情報家電制御によるアメニテイの向上等)に対して社会の構成員(国・自治体・電力・一般家庭等)がスマートコミュニテイを、どう実現していくかが、今後の命題になるでしょうとの結論も頂きました。
    (文責:NK)

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    2010年12月例会

    日 時:12月8日(水)19:00〜21:00
    場 所:I.C. Nagoya 12番教室 (名駅 大名古屋ビル 1階)
    内 容:情報交換市
     参加者全員から最近気になる話題について情報交換しました。

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